片想い 東野圭吾原作 文庫本 - 東野圭吾 おすすめ 推理小説 ランキング 文庫本 単行本 DVD

片想い 東野圭吾原作 文庫本

東野圭吾原作「片想い」文庫本

東野圭吾が「友情」「恋」「社会問題」を描く、読み応えのある長編小説「片想い」

片想い 東野圭吾原作 文庫本

原作:東野圭吾

出版:文藝春秋(文庫本)622ページ

発売:2004/8/4




片想い

大学時代のアメフト部のメンバーとの定例の飲み会の後、哲郎は10年ぶりに会った元マネージャーの美月にある秘密を告白される。

そして、その秘密は思いもかけない形でメンバーに影響を与えていく…。

導入部分から読み手をぐいぐい引っ張り込み、途中で急に視点が変わるストーリー展開は、日常的な場面から少し現実離れした設定へと読者を取り込んでいく東野圭吾の得意技。

そして、なにげない描写に隠された伏線が予期せぬエンディングへと結びついていく。

アメリカンフットボールのポジションの役割を簡単にでも把握しておくとさらに楽しめるに違いない。

学園モノ、刑事モノ、サスペンス、パロディ、本格推理と発表するごとに作風が変化する東野圭吾作品は素材にも工夫が凝らされており、『変身』では「脳移植」、『パラレルワールド・ラブストーリー』では「記憶」、そして本書「片想い」では「性同一性障害」と常に新しい事柄を題材に取り入れ続けている。

血液型性格診断を信じている人は多い。…しかしそういう人たちでも、日常生活で血液型によって相手を差別するということは殆どない。…ではなぜ多くの人は、性染色体のタイプには縛られるのだろう。

XXであろうとXYであろうと、あるいはそれ以外のものであろうと、人間には変わりがないという考え方がなぜできないのだろう。

文中でこう語られているように、本作品「片想い」ではトランスジェンダー、半陰陽、同性愛と、「性差」に苦しむ人々への理解も示している。

だが、「性同一性障害」など「性差」の問題が中心だったストーリーが、徐々に謎解きそして過ぎ去りし大学時代と目の前の現実とのはざまに揺れ動くオトコたちの心の動きへと移行していき、それとともに著者の「性差」への認識があいまいになって示されていく。

それが、おもしろみを保ったまま終結する「片想い」のストーリーに小さな影を落としてしまっている。

文字だけのシンプルなカバーをめくると、作品のテーマに通ずる絵が施されている。

読んでから見るか、見てから読むか。

それによって、「片想い」の読み方も変わってくることだろう。


レビュー1

ただのミステリーに留まらず、昔の仲間との友情、恋、社会問題などを盛り込んだ、読み応えのある長編小説「片想い」です。

主人公は30代のスポーツライター、そして彼の学生時代のアメフト部の仲間たちがある事件をめぐって苦悩し、やがて秘密がひとつひとつ明らかになり・・・というようなお話なのですが、なんだか失われた青春、変わってしまったそれぞれの仲間たち、それでも変わらない友情などがないまぜになり、とてもせつない気持ちで読みました。

仲間達の一人一人の個性が、アメフトのポジションの役割と重ねてすごくよく描かれています。

主人公を始め、私は仲間みんなに感情移入しながら読みました。

そういう人間ドラマ的な魅力がまずひとつ。

それから、実はこのお話の縦軸になっているのが「ジェンダーの問題」。

いわゆる「性同一性障害」とか「半陰陽(男女両方の特徴を持った体で生まれてきた人)」とか、一般的にマイノリティの人たちの悩みとか暮らしが小説とはいえ説得力をもって描かれているのがとても痛々しくも有り、興味深くもありました。

ミステリーとしての展開も面白く、「片想い」は、かなり厚い本なのですが一気によんでしまいました。


レビュー2

この「片想い」という作品は元アメフト部のマネージャーでジェンダー問題に悩む美月ともう一人のマネージャーだった理沙子との夫婦問題に悩む元スタープレイヤーのQBこと哲郎、そして学生時代に美月と付き合ったことがあり、今は資産家の娘婿である中尾の3つの家族の物語だと私は解釈しています。

今年大ブレイクされた東野さんは離婚されていますが、

 1.東野圭吾氏のその経験

 2.時折みせる社会的なテーマへの挑戦というかそのテーマを深堀りした東野圭吾氏なりの読者へのメッセージ

 3.ストーリーテラーとしての緻密な複線が絡み合う物語の上手さ

 4.学生時代のアーチェリー部主将の経験

が見事に折り重ねられて生まれた超一級の小説です。

3つの家族のメンバはそれぞれに悩みを抱えながら、そして自分の信じた・選んだ道を進み、やがてそれぞれある終点へと辿り着きます。

そこはまた各人の新たな人生の出発点でもあります。

「片想い」を最後まで読み終えた時、この小説が伝えるメッセージの感じ方は、読む人の人生経験やその時の心の状態で大きく変わるでしょう。

私は2回目に読んだ時は前回に比べて、前向きなメッセージを強く感じました。

かの村上春樹氏は優れた小説とは、読む人の年齢・性別・時代の変化に多面的に対応できる要素を備えていて、いつまでも陳腐化しないことだと言いましたが、この「片想い」という作品は正にそんな作品です。



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