白夜行 東野圭吾原作 単行本 - 東野圭吾 おすすめ 推理小説 ランキング 文庫本 単行本 DVD

白夜行 東野圭吾原作 単行本

東野圭吾原作「白夜行」単行本

悪の吹きだまりを生きてきた男。

理知的な顔だちの裏に、もう一つの顔を持つ女。

偽りの昼を生きた二人の人生を、“質屋殺し”を追う老刑事の執念に絡めて描く。

ミステリーの枠を広げた一大叙事詩。

白夜行 東野圭吾原作 単行本

原作:東野圭吾

出版:集英社(単行本)512ページ

発売:1999/8/5




「白夜行」

前作「秘密」で、温かくて切ない物語を紡いだ東野圭吾が、今回の「白夜行」では読む者の心を冷え冷えと切なくさせる。

プロローグは1973年に起こった質屋殺し。

最後に被害者と会った女がガス中毒死して、事件は迷宮入りする。

「白夜行」の主人公は、質屋の息子と女の娘だ。

当時小学生だった二人が成長し、社会で“活躍”するようになるまでを、世相とともに描ききる。

2人の人生は順風満帆ではなく、次々忌まわしい事件が降りかかる……。

当然ミステリーだから謎が隠されているわけだが、真相は途中で暗示されてしまう。

しかし謎の存在などどうでもよくなるほどのスケールの大きさが読後に残る。


レビュー1

普通、小説を読むということは、書いてある内容を鑑賞することであり、読者は受身であり作家は書く文章だけで勝負しなければならない。

そうした常識を覆し、書かれていないことこそ最も重要であり、読者は想像力を総動員してそこで何が起こったかを推量するという、いわば読者の想像力が主役の小説である。

革命的な手法ではないだろうか。

「白夜の中を歩くような人生」を生きる男と、彼を「太陽のかわり」として「陽のささない人生をやっと生きてきた」女の、出会いから別れまでの約20年間の魂のふれあいをを綴る作品だが、二人が実際に会っている場面は一度もなく、彼ら二人による完全犯罪の被害者たちの経験のみを語り、その背景にある二人の瀕死の魂の結びつきを読者に想像させる。

そのうちに、読者にも次第に主人公の影にもう一人の主人公が寄り添っているのが見えるようになり、胸を締め付けられるような思いがしてくる。

彼らを負う刑事が「君は本当に『一人』なのか」と思わずつぶやくように。

また、少なくとも4人の殺害、強姦、窃盗等の凶悪犯罪を描きながら、ミステリーでなく清冽な純愛小説の読後感を与える点も特異だが、それは、幼い頃、二人が大人の酷い仕打ちを受け「魂を奪われ」て以来、「自分たちの魂を守る」ためにしてきたことだと納得できるからである。

さらに、1970年代から90年代の、オイルショック等の事件やヒット曲等の社会風俗が丹念に描写されている点や、電気工学科出身の東野圭吾らしくコンピュータ・ソフトの偽造、ネットワークへの不正侵入など、IT技術の進歩に伴う彼らの犯罪の進化も緻密に描いている点も、特筆に価する。

鋏、切絵細工、小物入れ、キーホルダーの鈴といった小物使いのテクニックも出色。

自分もこの作品「白夜行」に参加したのだという快い疲労感とともに、聖夜のラストシーン、ジングルベルの音がいつまでも読者の胸に響く。

果たして二人の魂は救済されたのであろうか。


レビュー2

少年と少女の、ある事件をきっかけにした、19年に渡る「白夜行」を描いた長編小説。

しかし、各章の主役は少年と少女ではなく、あくまで周辺の人物。

かなりページ数のある「白夜行」にも関わらず主役である二人の内面的な描写は一度も無い。

それどころか、作品中二人が対面するのは最後の一瞬の間だけだ。

会話にいたっては一言すらない。

しかし、二人と関わりあい、時に凄惨な事件に巻き込まれる各章の語り手達が二人の軌跡をたどっていく。

かなり厚い文庫本だったが、登場人物一人ひとりがとても魅力的ですぐに読み終わった。

ジャンルとしてはミステリー小説と言えるかもしれないが、謎解きと言えるようなものはあまりない。

殆どの読者は「白夜行」の中盤辺りで事件の犯人や二人の関係に気づくことなるだろう。

面白いのが、作中まったく主人公二人の心理的描写が無いところだ。

二人の本音が分からない。

桐原亮司は本当に悪人なのか、何故あんなにも一人の女性に尽くすことが出来るのか。

恋愛感情だけでは到底納得することは出来ない。

「白夜行」を読み終わった後でもどうも釈然としないところでもある。

結局、読者はその疑問想像で補うしか無い。

そして一番の謎は唐沢雪穂だ。

彼女という人物の本質がまったく分からない。

作中、彼女が本音を発していると思われるのはたったの一言しかない。

それがこの小説「白夜行」の題名の由来にもなっている。

様々疑問を残しつつ、「白夜行」は突然終末を迎える。

一応、事件としては解決しているが、主役である本人達の言葉が無い以上、全てが曖昧なままだ。

読んだ後、何とも言えない余韻を残す。

「白夜行」のような作品を名作と呼ぶのかもしれないな、と感じた。



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