片想い 東野圭吾原作 単行本 - 東野圭吾 おすすめ 推理小説 ランキング 文庫本 単行本 DVD

片想い 東野圭吾原作 単行本

東野圭吾原作「片想い」単行本

旧友美月と再会した哲郎は、彼女が性同一障害で現在は男として暮らしていると告白される。

美月は他にも大きな秘密を抱えていた。

片想い 東野圭吾原作 単行本

原作:東野圭吾

出版:文藝春秋(単行本)379ページ

発売:2001/03




「片想い」

大学時代のアメフト部のメンバーとの定例の飲み会の後、哲郎は10年ぶりに会った元マネージャーの美月にある秘密を告白される。

そして、その秘密は思いもかけない形でメンバーに影響を与えていく…。

導入部分から読み手をぐいぐい引っ張り込み、途中で急に視点が変わるストーリー展開は、日常的な場面から少し現実離れした設定へと読者を取り込んでいく東野圭吾の得意技。

そして、なにげない描写に隠された伏線が予期せぬエンディングへと結びついていく。

アメリカンフットボールのポジションの役割を簡単にでも把握しておくとさらに楽しめるに違いない。

学園モノ、刑事モノ、サスペンス、パロディ、本格推理と発表するごとに作風が変化する東野圭吾作品は素材にも工夫が凝らされており、『変身』では「脳移植」、『パラレルワールド・ラブストーリー』では「記憶」、そして本書『片想い』では「性同一性障害」と常に新しい事柄を題材に取り入れ続けている。

血液型性格診断を信じている人は多い。

しかしそういう人たちでも、日常生活で血液型によって相手を差別するということは殆どない。

ではなぜ多くの人は、性染色体のタイプには縛られるのだろう。

XXであろうとXYであろうと、あるいはそれ以外のものであろうと、人間には変わりがないという考え方がなぜできないのだろう。

文中でこう語られているように、本作品『片想い』ではトランスジェンダー、半陰陽、同性愛と、「性差」に苦しむ人々への理解も示している。

だが、「性同一性障害」など「性差」の問題が中心だったストーリーが、徐々に謎解きそして過ぎ去りし大学時代と目の前の現実とのはざまに揺れ動くオトコたちの心の動きへと移行していき、それとともに著者東野圭吾の「性差」への認識があいまいになって示されていく。

それが、おもしろみを保ったまま終結するストーリーに小さな影を落としてしまっている。

文字だけのシンプルなカバーをめくると、作品のテーマに通ずる絵が施されている。

読んでから見るか、見てから読むか。

それによって、作品の読み方も変わってくることだろう。


レビュー1

やはり東野圭吾らしく暖かな小説です。

見た目と内面の不一致は人に混乱と苦悩をもたらしますが、その際立った形として性同一障害をとりあげています。

保守的な常識だけにもおもねらず、ラディカルフェミニズムにもはまらず、主人公であるQBは友人を救おうとします。

しかし,常識的な人間はとても残酷なものです。

彼は何とかしたいとあがきながら救済することが出来ません。

その姿は著者東野圭吾の思いを反映していると感じました。


レビュー2

いろいろ考えさせられる作品『片想い』でした。

なぜ殺人を犯したのか、女だった彼女が男の姿をしていたのか、性同一性障害などジェンダーの問題に、殺人事件のトリックが合わさって、複雑に展開していきます。

作品中で登場する「男の世界」のストーリーでは、自分にもそういう部分があるのではないかと思った部分もあり、深い内容になっています。(どういう内容かは読んでのお楽しみということでここには書きません)

簡単に解決できない問題について考えさせられ、詠んでよかったと思える作品『片想い』でした。



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